外国人経営者・外国人役員への日当支給|在留資格・税務上の注意点と旅費規程

グローバル化が加速する中、外国人経営者や外国人役員を迎える日本企業が増えています。しかし、外国人役員への日当支給には、在留資格の種類・居住者か非居住者かの判定・源泉徴収の方法など、日本人役員とは異なる複雑な税務上の論点が存在します。本記事では、外国人役員への日当支給の可否と条件、在留資格別の課税関係、旅費規程の整備方法まで、実務担当者が知るべきポイントを網羅的に解説します。

外国人役員への日当支給は可能か?基本的な考え方

結論から言えば、外国人役員への日当支給は適切な条件を整えれば完全に合法です。日当とは、出張に伴う食事・雑費・精神的負担等の実費補塡を目的とした手当であり、国籍に関係なく会社が任意に設定できる制度です。旅費規程に基づいて支給される日当は、社会通念上相当な金額である限り、受け取った役員の所得税課税対象外とされます(所得税法第9条第1項第4号)。

ただし外国人役員の場合、以下の3点で日本人役員と異なる検討が必要です。

日本で最も多い外国人経営者の在留資格は「経営・管理」ビザです。2024年末時点での「経営・管理」在留資格保有者は約3万5,000人に達しており、中小企業における外国人役員の存在は珍しくありません。外国人役員を迎える企業は、日当制度の整備を早期に行うことが重要です。

日当支給の前提条件

外国人役員への日当支給にあたり、まず確認すべき前提条件を整理します。

第一に、旅費規程の整備が必須です。旅費規程のない会社が役員に日当を支給した場合、それが「役員報酬」とみなされるリスクがあります。役員報酬とみなされると、定期同額給与の要件を満たさない限り損金算入が認められません(法人税法第34条)。特に外国人役員の場合、旅費規程がなければ税務調査での指摘リスクが高まります。

第二に、出張の実態が必要です。実際に業務上の出張がなければ日当は支給できません。単なる「外出」に対して日当を出すことは、税務上「仮装・隠蔽」と判断されるリスクがあります。出張の事実を証明するために出張命令書・出張報告書を整備することが重要です。外国人役員の場合、出張が母国への「帰国」と重なりやすいため、業務目的の立証は特に厳しく求められます。

第三に、金額の合理性が求められます。日当額は「社会通念上相当な金額」でなければなりません。国税庁が公表する「海外渡航費の取扱い」では、地域ごとの日当相場が示されており、これを大幅に超える場合は過大と判断されます。2024年現在、国税庁の通達に基づく海外日当の目安は、役員クラスで米国・欧州向け日当が1日1万5,000円〜2万5,000円程度です。

外国人役員が受け取れる日当の種類

外国人役員が受け取ることができる日当の種類は、以下のように分類されます。

在留資格別の課税関係と日当の取り扱い

外国人が日本で就労するためには、就労可能な在留資格が必要です。在留資格の種類によって、日当を含む報酬の課税関係が異なる場合があります。

経営・管理ビザ(旧「投資・経営」)

「経営・管理」在留資格は、日本で会社の経営や管理業務を行う外国人が取得するビザです。取締役・代表取締役・業務執行役員等の役職に就く外国人が対象となります。在留期間は最短4ヶ月から最長5年で、更新が可能です。

経営・管理ビザで日本に在留する外国人は、原則として日本の居住者として扱われます。日本の所得税法上の「居住者」とは、日本国内に住所を有するか、現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいいます(所得税法第2条第1項第3号)。経営・管理ビザで在留している外国人は通常、日本に住所を持ちますので、居住者として全世界所得に課税されます。

この場合の日当の取り扱いは日本人役員と同様で、旅費規程に基づく社会通念上相当な日当は非課税です。経営・管理ビザ保有者に対する日当支給は、旅費規程さえ整備すれば、日本人役員と全く同じプロセスで実施できます。

高度専門職ビザ

「高度専門職」在留資格は、高度な専門知識・技術を持つ外国人に与えられるビザで、ポイント制によって判定されます。高度専門職1号ロ(経営・管理)は経営者・管理職に適用されます。高度専門職ビザは永住権取得の要件が通常の5年から1年に短縮されるなどの優遇措置があります。

高度専門職ビザ保有者も通常は日本居住者として扱われるため、日当の課税関係は経営・管理ビザと同様です。旅費規程に基づく適正な日当は非課税となります。

就労ビザ(技術・人文知識・国際業務等)

従業員として雇用される外国人は「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」等の在留資格を持ちます。これらの外国人が役員に昇格する場合、在留資格の変更申請(「経営・管理」への変更)が必要な場合があります。

就労ビザ保有者も通常は日本居住者として扱われるため、日当の課税関係は同様です。ただし、就労ビザから経営・管理ビザへの変更が必要な場合に、変更申請期間中(在留カードの記載が旧ビザのまま)の役員就任は法務上の問題が生じる可能性があるため、入管専門家への相談を推奨します。

短期滞在ビザの外国人役員(非居住者)

特殊なケースとして、海外に在住する外国人が日本法人の取締役に就任し、短期滞在ビザで来日して役員会に出席するという形態があります。この場合、その外国人は日本の非居住者となります。

非居住者への日当支給は、課税関係が大きく異なります。短期滞在で来日している外国人役員が受け取る日当については、その性質によって課税・非課税の判断が分かれるため、詳しくは次のセクションで解説します。なお、短期滞在ビザ(最長90日)で就労活動を行うことには制限があり、役員会出席等の限定的な活動以外は原則として認められません。

居住者・非居住者の判定方法と源泉徴収の違い

外国人役員への日当支給において最も重要な論点が、その外国人が税務上の「居住者」か「非居住者」かの判定です。誤った判定は源泉徴収漏れや過剰徴収につながり、税務リスクを生じさせます。

居住者・非居住者の判定基準

所得税法上の居住者・非居住者の判定は以下の通りです。

居住者:日本国内に住所を有する個人、または現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人。国籍は問いません。さらに居住者は「非永住者」と「非永住者以外の居住者(永住者)」に分かれ、課税の範囲が異なります。

非居住者:居住者以外の個人。

判定にあたっては、単なる在留資格の種類ではなく、実際の生活の本拠地(住所)や滞在期間が重視されます。例えば、以下のような状況を考慮します。

183日ルールは多くの租税条約でも採用されており、年間183日を超えて日本に滞在する場合は日本での課税が発生します。また、5年以内に日本に在留したことがない外国人が経営・管理ビザを取得した場合、最初の5年間は「非永住者」として国内源泉所得と国外から送金された所得のみ課税対象となります。

居住者の場合の源泉徴収

外国人役員が居住者と判定される場合、日当の源泉徴収は日本人役員と同様です。旅費規程に基づく社会通念上相当な日当は非課税となり、源泉徴収は不要です。

ただし、日当が「相当な金額」を超える場合は、超過部分が給与所得として課税されます。この場合、役員報酬の源泉徴収と同様に、甲欄または乙欄の税率で源泉徴収を行います。例えば、役員への月の給与が30万円で甲欄を適用している場合、超過日当は同じ甲欄で合算して源泉徴収計算を行います。

非居住者の場合の源泉徴収

外国人役員が非居住者と判定される場合、源泉徴収の取り扱いが大きく変わります。

非居住者に対する国内源泉所得(日本での役務提供に対する報酬)には、原則として20.42%の源泉徴収税率が適用されます(所得税法第161条・第212条)。この20.42%は所得税20%+復興特別所得税0.42%の合計です。

日当についても、非居住者への支給は「国内源泉所得」に該当する可能性があり、日当の性質(実費補塡か報酬的な性質か)によって課税・非課税の判断が分かれます。純粋な実費補塡の日当であれば非課税とする解釈がある一方、実費を超える定額日当は課税対象となりうるため、実務上は税務署または税理士に確認することが重要です。

租税条約による軽減

日本は2024年現在、米国・英国・ドイツ・フランス・中国・韓国・オーストラリア等多くの国と二国間租税条約を締結しており、条約によって源泉徴収税率が軽減される場合があります。

例えば、日米租税条約では独立した個人的役務に対する源泉税の取り扱いに特別規定があります。また、日中租税条約では役員報酬に対する源泉税率が10%に軽減される規定があります。

租税条約の適用を受けるためには、「租税条約に関する届出書」を源泉徴収義務者(会社)が所轄税務署に提出する必要があります。届出書は支払い前または支払いと同時に提出するのが原則です。

日本語の旅費規程で外国人役員をカバーする方法

多くの日本企業の旅費規程は日本語で作成されています。外国人役員をカバーするためには、日本語旅費規程をそのまま適用するか、英語版を別途作成するかを検討する必要があります。

日本語旅費規程の適用範囲を明確化する

日本語旅費規程を外国人役員にも適用する場合、旅費規程の「対象者」条項に外国人役員を明示することが推奨されます。

例えば、旅費規程の第1条(目的・適用範囲)に以下のような記載を追加します。

第1条(適用範囲)本規程は、当社の役員および従業員(国籍を問わない)の国内外出張に適用する。外国籍の役員・従業員にも本規程を等しく適用し、日当・旅費の支給条件に国籍による差異は設けない。

「国籍を問わない」という文言を明記することで、外国人役員への適用を明確にし、税務調査においても規程の適用根拠を示すことができます。

外国人役員特有の状況への対応

外国人役員の場合、以下の特殊な状況が生じることがあります。これらについて旅費規程に規定を設けることが重要です。

①母国への帰国を兼ねた出張:外国人役員が自身の母国への出張を行う場合、純粋なビジネス出張の費用と私的な帰国費用を明確に区分する必要があります。旅費規程には「業務上の出張目的と私的旅行を兼ねる場合の費用按分方法」を規定します。例えば「出張日程のうち業務に充てた日数の割合で交通費を按分し、それ以外は自己負担とする」という規定が有効です。

②長期滞在の扱い:外国人役員が複数の国にまたがって業務を行う場合、どの拠点からの出張を「出張」とみなすかを規程で明確にする必要があります。例えば「出張とは、通常勤務地(本社)から離れた場所での業務活動をいう」と定義することで、どこが起点となるかが明確になります。

③通訳・翻訳費用:外国人役員の出張に通訳が同行する場合、その費用を旅費規程に含めるか別途規定するかを検討します。通訳費用は旅費とは別に「業務委託費」または「諸費用」として処理するのが一般的です。

役職別日当額の設定と外国人役員

外国人役員への日当額は、同じ役職の日本人役員と同額にすることが合理的です。国籍を理由に差額を設けることは、税務上の恣意性を指摘されるリスクがあります。

ただし、外国人役員が海外からの出張で日本に来る場合と、日本拠点からの国内出張の場合では、日当の区分が異なります。海外出張の日当は「海外出張日当」として国内出張日当より高く設定するのが一般的で、これは日本人・外国人を問わず同じ基準が適用されます。

英語版旅費規程作成のポイント

外国人役員の比率が高い企業や、外国人役員への配慮として、英語版旅費規程を作成することが増えています。英語版旅費規程を作成する際の重要なポイントを解説します。

日本語版との法的関係を明確にする

まず重要なのは、英語版と日本語版のどちらが正本(controlling version)かを明確にすることです。通常、日本の法令との整合性の観点から、日本語版を正本とし、英語版は参考訳(reference translation)と位置づけます。

英語版の冒頭に以下のような免責条項を入れます。

"This English version is provided for reference purposes only. In the event of any discrepancy between the Japanese and English versions, the Japanese version shall prevail."

英語版旅費規程の主要条項

英語版旅費規程に含めるべき主要条項は以下の通りです。

Purpose and Scope(目的・適用範囲):This policy applies to all officers and employees of the Company, regardless of nationality. The purpose of this policy is to define the standards for business travel expenses, including daily allowances (nichito), transportation, and accommodation.

Daily Allowance(日当):The Company shall pay a daily allowance (nichito) to cover incidental expenses during business trips. The daily allowance is not subject to income tax as long as it falls within a reasonable amount as defined by this policy, pursuant to Article 9, Paragraph 1, Item 4 of the Japanese Income Tax Act.

Domestic Business Trip Allowance(国内出張日当):日帰り出張・宿泊出張別の日当金額を記載。役職別に表形式で記載すると分かりやすい。例えば、Director (役員): Day trip ¥3,000 / Overnight ¥5,000 のように記載する。

Overseas Business Trip Allowance(海外出張日当):地域別の海外出張日当金額を記載。Region 1 (North America, Europe): Director ¥20,000/day のように地域別・役職別に示す。

Reimbursable Expenses(精算対象費用):Transportation, accommodation, and other expenses eligible for reimbursement should be listed clearly. All expenses must be accompanied by receipts (except for daily allowances).

Tax Treatment(税務上の取り扱い):Daily allowances paid pursuant to this policy are not subject to Japanese income tax. For non-resident directors, separate tax treatment may apply pursuant to applicable tax treaties.

英語版旅費規程の実務的な整備手順

英語版旅費規程の整備手順は以下の通りです。

  1. 日本語版旅費規程を最新の状態に整備する
  2. 専門の翻訳者(法務・税務知識を持つ翻訳者が望ましい)に英訳を依頼する
  3. 税理士・弁護士による英語版のレビューを実施する
  4. 外国人役員への説明会を実施し、内容を理解させる
  5. 日本語版・英語版ともに規程の周知記録を保管する

費用の目安として、英語版旅費規程の翻訳・作成費用は通常5万円〜20万円程度です。外国人役員が多い企業では投資対効果が高い対応であり、税務リスクの低減にも寄与します。

外国人役員の海外出張時における旅費処理の実務

外国人役員の海外出張は、日本人役員の海外出張と基本的に同じルールが適用されますが、いくつかの特殊な論点があります。

外国人役員の母国出張

外国人役員が自国(母国)に出張する場合、最も注意すべきは「業務上の出張」と「私的な帰国」の区分です。税務調査では、このような出張の業務目的の立証が特に厳しく問われます。

業務目的を明確にするために、以下の書類を整備することが重要です。

私的旅行と業務出張を兼ねる「混合出張」の場合、業務部分と私的部分の費用を按分する必要があります。按分方法は旅費規程に明記しておくことが重要で、税務調査において規程通りに処理したことを示す証拠となります。

海外出張日当の地域別設定

海外出張日当は、出張先の物価・生活水準を考慮して地域別に設定します。国税庁が示す海外渡航費の一人当たりの基準日当額の参考値を踏まえた設定例は以下の通りです。

外国人役員の母国出張で、その国の物価が高い場合(例:北欧・スイス・シンガポール等)は、日当を高めに設定することが合理的です。ただし、過大な金額は税務調査で問題視されるため、国税庁の示す基準を参考に設定することが安全です。

外貨での日当支給

外国人役員の海外出張時に、現地通貨(外貨)で日当を支給する場合があります。この場合、円換算には出張時の仲値(TTM)または支払日の仲値を使用します。

外貨建て日当の帳簿記録では、支給日の為替レート・外貨金額・円換算金額を記録しておく必要があります。また、外貨で支給した場合の余剰金(残額)の処理方法も旅費規程に規定しておくことが実務上重要です。余剰金は次回出張時の仮払いに充当するか、日本円に換算して返金させることを規程で定めます。

ビザ取得費用の取り扱い

外国人役員が海外出張のためにビザ(査証)を取得する場合の費用は、原則として旅費として処理できます。特に外国人役員は、その国籍によって訪問先国のビザが必要なケースが日本人より多い(日本は多くの国でビザ不要ですが、他国籍では不要でない場合があります)ため、この規定を旅費規程に明記しておくことが実務上有用です。

外国人役員日当の税務リスクと対策

外国人役員への日当支給に関連する主な税務リスクと、その対策を整理します。適切な対策を講じることで、税務調査においても問題なく対応できます。

リスク①:日当が役員報酬とみなされるリスク

旅費規程が整備されていない、または出張の実態がないのに日当を支給すると、税務調査で「隠れた役員報酬」とみなされるリスクがあります。この場合、定期同額給与の要件を満たさないとして損金不算入となり、法人税の追徴課税が発生します。外国人役員の場合、税務調査官が書類の内容を理解しにくいと逆に疑義を持たれやすいため、書類整備は特に丁寧に行うことが重要です。

対策:旅費規程を整備し、出張命令書・出張報告書を必ず作成する。日当額は役職ごとに明確に規定し、社会通念上相当な金額に設定する。可能であれば旅費規程は日本語・英語の両方を整備する。

リスク②:非居住者への源泉徴収漏れ

外国人役員が非居住者と判定されるのに、居住者として扱って源泉徴収を行っていない場合、源泉徴収漏れとして追徴課税・不納付加算税(最大10%)が発生します。年次で居住者・非居住者の判定を更新することが重要です。

対策:外国人役員の居住者・非居住者の判定を年次で確認する。判定に迷う場合は税務署(所轄税務署の相談窓口)または税理士に相談する。特に外国人役員が長期間海外に滞在した後に帰国した場合など、判定が変わる可能性のある状況変化があった場合には必ず再確認する。

リスク③:租税条約の適用漏れ

租税条約によって源泉税率が軽減される場合でも、適切な届出を行っていないと、条約の恩典が受けられない場合があります。適用漏れがあった場合、後から更正の請求をすることも可能ですが、手続きに時間と手間がかかります。

対策:非居住者への報酬支払いが生じる場合は、事前に「租税条約に関する届出書」を所轄税務署に提出する。届出書の提出期限(支払い日まで)を守ることが重要です。

リスク④:二重課税リスク

外国人役員が複数国で課税される「二重課税」が生じる可能性があります。日本で課税された所得が、母国でも課税される場合、外国税額控除等の適用を検討する必要があります。二重課税は外国人役員にとって実質的な過重負担となるため、優秀な外国人役員の確保の観点からも対策が必要です。

対策:二重課税が懸念される場合は、日本の税理士と外国人役員の母国の税務専門家に相談し、外国税額控除の適用や租税条約の活用等の適切な税務対策を講じる。また、外国人役員の役員報酬パッケージの設計段階で、税務コストを考慮した報酬設計を行うことが重要です。

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よくある質問

外国人役員に日当を支給する場合、旅費規程は必ず必要ですか?

はい、必須です。旅費規程がない場合、外国人役員への日当支給は「役員報酬」とみなされるリスクがあります。役員報酬とみなされると定期同額給与の要件を満たさないとして損金不算入となり、法人税の追徴課税が発生します。旅費規程を整備し、出張の実態を証明する書類も合わせて用意してください。

経営・管理ビザを持つ外国人役員は居住者・非居住者のどちらですか?

経営・管理ビザで日本に在留し、日本に住所を有する外国人役員は、通常「居住者」として扱われます。居住者であれば、日本人役員と同様の課税関係となり、旅費規程に基づく適正な日当は非課税です。ただし、日本と海外に生活拠点がある場合など判定が難しいケースもあるため、税理士への確認を推奨します。

非居住者の外国人役員に日当を支給する場合の源泉徴収税率は?

非居住者への国内源泉所得には原則20.42%の源泉徴収税率が適用されます。ただし、日当が純粋な実費補塡の性質を持つ場合は源泉徴収不要という解釈もあります。また、租税条約によって税率が軽減される場合もあります。具体的な取り扱いは所轄税務署または税理士に確認することをお勧めします。

外国人役員向けに英語版旅費規程を作成する必要がありますか?

法的義務はありませんが、外国人役員が日本語を理解できない場合、内規の理解・周知という観点から英語版の作成を推奨します。英語版は参考訳として位置づけ、日本語版を正本とする旨を明記してください。翻訳費用は5万〜20万円程度が目安です。TAXAVEのテンプレートを活用することで、旅費規程の整備コストを大幅に削減できます。

外国人役員が母国に出張する場合、業務目的はどう証明しますか?

出張命令書・訪問先との面談記録・会議議事録・出張報告書・商談を証明するメールや提案書等を整備します。税務調査では母国出張の業務目的が特に厳しく問われるため、これらの書類は出張前後に必ず作成・保管してください。私的な帰国と業務出張を兼ねる場合は、費用の按分方法を旅費規程に規定しておくことも重要です。