1. 標準報酬月額と日当の基本関係
| 項目 | 社会保険料の算定対象 | 備考 |
|---|---|---|
| 役員報酬(月給) | ○(標準報酬月額の算定対象) | 健康保険・厚生年金の保険料に影響 |
| 日当(旅費規程に基づく) | ×(算定対象外) | 日当は社会保険料の対象にならない |
| 交通費実費 | ×(通勤手当は例外あり) | 旅費は原則対象外 |
| 通勤手当 | △(非課税上限を超える部分は対象) | 上限10万円/月を超えると対象 |
日当(旅費規程に基づく出張日当)は社会保険料の算定基礎となる「報酬」に含まれません。役員報酬の一部を日当に替えることで、標準報酬月額を下げて健康保険・厚生年金の保険料を削減できます。
2. 日当活用による社会保険料削減シミュレーション
| 変更前 | 変更後 | |
|---|---|---|
| 役員報酬(月額) | 1,000,000円 | 800,000円(▲200,000円) |
| 日当(月額) | 0円 | 200,000円(7,000円×月29日相当) |
| 標準報酬月額 | 1,000,000円(等級上位) | 800,000円(等級下位) |
| 健康保険料(会社+役員) | 約100,000円/月 | 約80,000円/月(▲約20,000円/月) |
| 厚生年金保険料(会社+役員) | 約146,000円/月(上限) | 約120,000円/月(▲約26,000円/月) |
| 年間社会保険料削減効果 | — | 約552,000円/年(会社+役員合計) |
社会保険料は会社と役員の折半負担のため、報酬を削減して日当に替えることで会社負担分も役員負担分も同時に削減できます。年間55万円超の社会保険料削減は財務改善効果として非常に大きいです。
3. 将来の年金への影響と対策
- 標準報酬月額を下げることは将来の厚生年金受給額の減少に繋がる
- 厚生年金の受給額は「加入期間×標準報酬月額の平均×乗率」で計算される
- 削減期間が長いほど将来の年金減額への影響が大きくなる
- 対策①iDeCo(個人型確定拠出年金)で自分で老後資産を形成
- 対策②節税効果で増えたキャッシュを投資・資産形成に回す
社会保険料削減には将来の年金受給額減少という「トレードオフ」があります。iDeCoで削減した社保保険料分を積み立てる等の代替手段を講じることで、老後の資産形成を確保しながら節税効果を享受できます。
4. 社会保険料削減を活用する際の注意点
- 日当は実際の出張(外出・訪問)に基づいて支給する必要がある
- 月に200,000円の日当は「1日7,000円×月29日」相当の出張が実際に必要
- 出張記録(日報・精算書)を整備して実態を証明する
- 年金事務所の算定基礎届では日当は報酬に含めない(正しく報告する)
5. よくある質問
日当を毎月固定額として支給する場合、社会保険の算定では「報酬」と判断されるリスクがあります。日当は「実際の出張に応じて変動する額」として支給することが、社会保険の報酬に含まれない条件です。
旅費規程に基づく日当は社会保険の「報酬」に該当しないため、算定基礎届(4〜6月の標準報酬月額の算定)に含める必要はありません。ただし「名目は日当だが実態は給与」と判断されるような固定支給は含めるべきです。
出張のない月に日当を支給することは認められません。日当は「出張した日」に支給するものです。出張のない月に支給した日当は給与として所得税・社会保険料の対象になります。
6. まとめ
本記事の要点を整理します。
- 日当は社会保険料の算定基礎となる標準報酬月額に含まれないため役員報酬を減額して日当に替えることで社保を削減できる
- 役員報酬を月100〜200万から日当込みに切り替えると会社・役員合計で年間約55万円超の社会保険料削減が可能
- 社会保険料削減は将来の厚生年金受給額の減少というトレードオフがあるためiDeCoで代替資産形成を行うことを推奨
- 日当を毎月固定額で支給すると社会保険の報酬に含まれるリスクがあり実際の出張実績に基づく変動支給が必要
- 出張のない月に日当を支給することは認められず出張記録(日報・精算書)で実態を証明することが不可欠
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【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的として作成されており、個別の税務アドバイスを提供するものではありません。記載内容は執筆時点の税法・税制に基づいており、今後の改正により変更される可能性があります。試算例・節税効果はあくまで参考値です。実際の税務処理・節税効果については、必ず顧問税理士または税務署にご確認ください。