1. 外貨精算で使う換算レート
| レート種類 | 内容 | 適用タイミング |
|---|---|---|
| TTM(仲値) | 銀行の基準レート | 最も一般的・毎日公表 |
| TTS | 円→外貨の銀行売出レート | 外貨購入時に適用 |
| TTB | 外貨→円の銀行買入レート | 外貨両替精算時に適用 |
| 仮払時レート | 仮払金を渡した日のTTM | 仮払い精算では仮払時レートを使用 |
実務では精算日または出張期間の平均レート(月中の平均TTM)を採用するケースが多いです。社内の旅費規程に「精算日の日本銀行公表TTM」または「月次平均TTMを使用する」と明記しておくことで税務調査時に説明しやすくなります。
2. 仮払いから精算までの流れ
- 出張前:仮払金として出張予定金額を渡す(例:$500→精算日TTMで円換算)
- 出張中:経費を外貨で支払い・領収書を収集する
- 帰国後:領収書の外貨金額を精算日TTMで円換算して精算書を作成
- 差額(返金または不足分)を現金または銀行振込で精算する
- 仮払金(資産勘定)→旅費交通費・海外日当(費用勘定)と為替差損益に振替
| 仕訳例(仮払$500、精算日TTM=150円) | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 仮払時(TTM=148円) | 仮払金 74,000 / 現金 74,000 | |
| 精算時($480使用・TTM=150円) | 旅費交通費 72,000 / 仮払金 74,000 | |
| 為替差損 72,000(差額2,000円の調整) |
3. 外国語領収書の取り扱い
| 領収書の状態 | 処理方法 | 必要書類 |
|---|---|---|
| 英語の領収書 | そのまま保存(翻訳不要) | 金額・日付・支払先が確認できればOK |
| 中国語・韓国語等 | 基本的に翻訳不要だが内容不明な場合は概訳 | 概訳メモを添付 |
| 領収書が入手できない国・状況 | 支払明細書・カード明細で代替 | 支払内容を精算書に記録 |
| クレジットカード払い | カード明細+ホテル・航空会社の請求書 | 電子データは電帳法対応で保存 |
海外では領収書が発行されない場合(屋台・交通機関等)があります。この場合は精算書に「領収書なし(交通費・食費・チップ等)」と理由を記載し、合理的な金額範囲内で精算します。日当(定額)で処理することで領収書不要の支出をカバーできます。
4. クレジットカード払いの海外旅費精算
- 法人クレジットカードの場合:カード明細の外貨金額をTTMで換算して精算
- 個人カードの場合:カード明細の円換算後金額で実費精算(手数料込みで精算可)
- 海外ATM手数料・両替手数料は旅費交通費または雑費として経費計上可
- 為替差損益は雑収入(差益)または雑損失(差損)として処理
クレジットカードの換算レートは「国際ブランドレート+海外取引手数料(1.6〜2.2%程度)」です。精算でTTMを使う場合と差額が生じますが、差額は為替差損益として処理します。差額が少額の場合は会社の実績として実費(カード明細の円金額)で精算する方法もあります。
5. よくある質問
海外日当は旅費規程に定めた通貨(円建てまたは外貨建て)で支払います。円建て日当の場合は出張前に現金または銀行振込で渡します。外貨建ての場合は精算日のTTMで円換算します。
外国通貨の換算による為替差損益は消費税の課税対象外(不課税)です。
カード明細に金額・日付・支払先が記載されていればカード明細が領収書代わりになります。ホテル・航空会社は電子領収書を発行してくれるケースが多いので活用してください。
6. まとめ
本記事の要点を整理します。
- 海外旅費精算の換算レートはTTM(仲値)を使用し旅費規程に換算方法を明記しておく
- 仮払金は出張前に渡し帰国後に外貨精算書・領収書で精算し差額を返金または追加精算する
- 外国語領収書は翻訳不要(英語・中国語等)で金額・日付・支払先が確認できれば有効
- クレジットカード払いはカード明細+電子領収書で電帳法対応の電子保存が必要
- 為替差損益は不課税で雑収入(差益)または雑損失(差損)として処理する
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【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的として作成されており、個別の税務アドバイスを提供するものではありません。記載内容は執筆時点の税法・税制に基づいており、今後の改正により変更される可能性があります。試算例・節税効果はあくまで参考値です。実際の税務処理・節税効果については、必ず顧問税理士または税務署にご確認ください。