1. 海外出張日当が非課税になる条件
旅費規程に定めた海外日当が「その役員または使用人の通常必要とする旅費の実費相当額」を超えないことが非課税の条件です。
つまり「海外での実際の生活費・移動費として相当な金額」に収まれば非課税。これを大幅に超えた「給与の代替」と認定されると課税されます。
重要なのは「その職務・役職の人が通常かかるコスト」を基準にすることです。代表者と一般社員で差をつけることも認められています。
2. 海外日当の金額設定の目安(国税庁・外務省基準)
| 地域 | 1日あたり日当(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 北米(米国・カナダ) | ¥6,000〜¥10,000 | 物価高のため国内より高く設定可 |
| 欧州(英・独・仏等) | ¥6,000〜¥10,000 | |
| アジア(中・韓・ASEAN) | ¥4,000〜¥7,000 | 物価差を考慮 |
| オセアニア | ¥5,000〜¥8,000 | |
| 国内(参考) | ¥2,000〜¥5,000 |
外務省の公的機関向け旅費基準(国家公務員の海外旅費規程)を参考にするとよいでしょう。大幅に上回る場合は税務調査で説明が求められます。
3. 旅費規程への海外日当の記載方法
- 「海外出張の日当」として国内日当とは別条項で規定する
- 地域区分(近距離・欧米・その他等)ごとに単価を設定
- 役職別(役員・管理職・一般社員)の差を設ける
- 日当は現地通貨または円建て(支給時レートで換算)どちらでも可
- 現地での交通費・通信費は日当に含めるか別精算かを明記する
「海外出張の日当は以下のとおりとする。①北米・欧州:役員10,000円、管理職8,000円、一般社員6,000円 ②アジア:役員7,000円、管理職6,000円、一般社員4,500円」のように地域・役職別に具体的な金額を明記してください。
4. 外貨精算・円換算の処理方法
| 費用 | 精算方法 | 為替レートの考え方 |
|---|---|---|
| 現地で使ったホテル代(外貨) | 領収書の外貨金額×精算時の為替レートで円換算 | TTSレートまたは公示レートを使用 |
| 航空券(事前購入・円払い) | 円建てで精算 | |
| 日当(円建て設定) | 規程の金額をそのまま支給 | |
| 日当(外貨建て設定) | 現地通貨で支給、または帰国後に円換算精算 |
5. よくある質問
法律上の上限はありませんが、「通常必要と認められる金額」を超えた分は課税されます。外務省基準の2倍以上になると説明が難しくなります。
設定は可能ですが、通常の生活費として相当かどうかを説明できる必要があります。アジアで¥8,000は若干高めのため、役員クラスに限定するなどの設計が無難です。
海外での日当は不課税取引です(国内の旅費日当と同様)。実費の交通費・宿泊費の消費税処理は仕入地(日本国内か海外か)によって異なります。
6. まとめ
本記事の要点を整理します。
- 海外出張日当は「通常必要な実費相当額」に収まれば非課税
- 北米・欧州は¥6,000〜¥10,000、アジアは¥4,000〜¥7,000が目安
- 旅費規程に地域区分・役職別に具体金額を明記することが必須
- 外務省の公務員旅費基準を大幅に超えると税務調査で説明が困難になる
- 外貨精算は帰国後に為替レートで円換算する方式が一般的
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【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的として作成されており、個別の税務アドバイスを提供するものではありません。記載内容は執筆時点の税法・税制に基づいており、今後の改正により変更される可能性があります。試算例・節税効果はあくまで参考値です。実際の税務処理・節税効果については、必ず顧問税理士または税務署にご確認ください。