1. 役員貸付金・借入金の税務上の扱い

種類内容税務リスク
会社→役員への貸付金会社の資産(流動・固定資産)利息を受け取らないと役員への経済的利益として給与課税
役員→会社への貸付(借入金)会社の負債会社が支払う利息は損金算入可(適正金利)
役員の仮払金精算不足(貸付金化)旅費の仮払が精算されずに残る長期未精算は貸付金として認定される可能性
役員貸付金がある場合の税務リスク

会社が役員に貸付けた金額に対して無利息または低利息の場合、利息相当額が役員給与(給与課税)になります(法人税法34条)。適正利率は税務通達で示される利率(年1.6〜2.0%程度)を使用します。

2. 旅費仮払の長期未精算問題

  • 出張前に仮払した旅費が精算されないまま残ると役員への「貸付金」とみなされる
  • 役員貸付金化した仮払金には適正利率分の利息認定(給与課税)リスクがある
  • 旅費規程に「出張後◯日以内に精算書を提出する」と期限を定めることが重要
  • TAXAVEのような旅費管理システムで精算期限のリマインドを設定することで未精算を防ぐ
税務調査で指摘される典型パターン

税務調査で「役員の仮払金(旅費)が何年分も未精算で残っている」「代表者への貸付金として計上されているが利息収入がない」というケースが頻繁に指摘されます。

3. 役員借入金と旅費節税の関係

役員借入金を解消する方法の一つとして役員報酬・日当の活用がある

役員が会社に貸した借入金(役員借入金)を返済する際、会社の資金繰りが厳しい場合は役員報酬の増額→役員個人の報酬から返済という流れが生じます。このとき旅費規程・日当で受け取る非課税収入を増やすことで役員の可処分所得を上げる節税策と組み合わせることができます。

方法内容効果
役員報酬増額+日当設定報酬を増やして手元資金を確保所得税はかかるが日当分は非課税
退職金支給で借入金相殺役員退職時に退職金と貸付金を相殺退職所得控除で税負担軽減
DES(debt equity swap)借入金を資本金に転換借入金消去・資本増強
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4. 仮払金の適切な管理方法

  • 旅費規程に「仮払いは出発日の◯日前まで申請」「帰国後◯日以内に精算書提出」と明記
  • 精算書未提出の場合は給与天引きで回収する規定を設ける
  • TAXAVEの精算期限管理機能で自動リマインドを設定する
  • 月次決算時に仮払金の残高を確認し長期未精算は代表者に確認する
仮払金の適正な処理で税務リスクを回避

毎月末に仮払金残高を精算書と照合し、未精算があれば翌月給与から天引きするという手続きを旅費規程に定めておくことで「役員貸付金」認定リスクを防ぐことができます。

5. よくある質問

Q役員貸付金がある場合の適正金利はいくらですか?
A

国税庁が定める「特例基準割合」(令和6年分は年1.5%)を目安にします。ただし1万円以下の少額や業務上真に必要な仮払い(短期間で精算)は低利でも問題ありません。

Q旅費仮払金が精算されず役員貸付金になった場合の処理は?
A

役員貸付金として計上し適正利率の利息を毎期計上します。早期に精算書を提出して旅費精算として処理するか、役員報酬の一部として処理することを検討してください。

Q日当を増額して役員への資金還流はできますか?
A

日当は「出張に伴う実費弁償」という性質のため出張実態なしに日当を増額することは給与課税・損金不算入のリスクがあります。旅費規程の範囲内で実態に基づいた日当設計が必要です。

6. まとめ

本記事の要点を整理します。

  • 会社から役員への貸付金は無利息・低利息だと利息相当額が給与課税されるため適正金利の設定が必要
  • 旅費の仮払金が長期未精算になると役員貸付金とみなされ利息認定・給与課税リスクが生じる
  • 旅費規程に精算期限(帰国後◯日以内)を定め未精算は給与天引きで回収する規定を設ける
  • TAXAVEの精算期限管理で自動リマインドを設定して未精算を防ぐ
  • 月次決算時に仮払金残高を確認し長期未精算がないかチェックする習慣が重要

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【免責事項】 本記事は一般的な情報提供を目的として作成されており、個別の税務アドバイスを提供するものではありません。記載内容は執筆時点の税法・税制に基づいており、今後の改正により変更される可能性があります。試算例・節税効果はあくまで参考値です。実際の税務処理・節税効果については、必ず顧問税理士または税務署にご確認ください。